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編年(4) [序叙]

 モノの始めというのはすべからく自然界にたどりつく。それぞれに用途を与え、専用の道具として加工し、自然界に存在する動力を人工的(ないし機械的)な動力に代替するプロセスを通じて機械装置が具現化してきた。
 河や海を渡るのに最初は丸太を用いていたが、そのうち人々は太い丸太を刳りぬいて舳先を付けたほうが波を切るのに都合がいいことに気がついた。それが構造船となり、次いで素材が木から鉄に、動力が人から機械に変わった。
 その意味でいえば、計算機は、1624年に考案されたシッカルトの計算機からいまだに抜け出していない。演算機構で世代を編年するのであれば、真空管の前に歯車、ギア、対数表、紙とペン、人の指を置かなければならない。
 ところが以上の指標は、機械装置を基軸にしたものであって、IT産業を概観するとき必要かつ十分な要素を満たさない。計算機械装置と電子計算機を決定的に区分するのは、プログラムというものである。
 そこで新しい編年の基軸――プログラム以前、プログラム以後――が想定され、プログラム以後に照準を当てれば、「OS以前」と「OS以後」の区分が浮上してくる。
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